Friend

また来ちゃった

また来ちゃった。あなたに会うため。。なんてまだ言わないわね。だって、私たち、まだ出会ったばかりでしょ。 今でも覚えているわ。私がはじめてこのお店に来たときのこと。仕事で落ち込んでいて、おあつらえ向きにしとしと雨まで降ってたわ。仕事が終わって...
Life

無邪気な青年

えっ、この席かい?ああ、この席なら空いとるよ。誰もこんなじいさんとは向かい合って座りたくねえだろうからな。 あんた、若いのに勇気があるのお。それとも、怖いもの知らずか。たぶん、後者だろうな。。あんたからは警戒心のかけらも感じられん。それが若...
Life

野性の世界

都会の生活はどうだい?さぞ、住み心地がいいだろうな。おれ達にとってはお前らがありがたがっている「文明」なんてものが無駄なことに思えてならねえ。コンクリートに囲まれた部屋の中でぬくぬくと育ってきたお前らはそうやってく腐っていくんだ。肉体も、そ...
Friend

ヒロシ、ありがとうね。

ねえ、あなた。私のこと、きれいだって思う? 私、人生を楽しみたいから、きれいになることはなんだってやってきた。このまつエクだって。この口紅だって。この髪の毛だって。すべて私自身をきれいに見せるため。 子供のころから、女性は美しくなきゃって、...
Life

逃亡者

おれの秘密を知りたいかい?まあ、そこに座りなよ。おれは昔、六本木を仕切っていた。こんなしょぼくれたおっさんが。。と思っただろう。いや、うそじゃないんだ。 ちょっと、唐突すぎるかい?話をおもしろくするコツは、最初にインパクトのある言葉をガツン...
Friend

おおきな背中

ちょっと疲れちゃった。。 今までパパと狩りに行ってたんだ。すごかったよ。パパのこの大きな爪でオオカミを一撃。僕たちはオオカミの集まる場所で待ち伏せをしてた。そして、頃合いを見計らって、不意を突いてやったんだ。パパは体がこんなにおおきいのに、...
Life

無の世界で

ねえ、そこのあなた。あなたの人生は、いい人生ですか?これからいいことがありそうですか? 私はいつの間にか、こんな姿になってしまいました。こんな私でも、昔は美男子でならしたものです。社交界ではいつも輪の中心にいて、すべての情報は私を経由して伝...
Friend

わしはただこの世の中を見つめている

わしはこの場所で世の中の移り変わりを見てきた。いろんな人たちがわしの目の前を通り過ぎて行った。明るく希望に満ち溢れたやつ。下ばかり向いてぼそぼそと話す陰気くさいやつ。虎のような御仁にくっついて能書きばかり並べるやつ。 そんな中でもあの男はひ...
Life

物音ひとつしない海の上で

今から漁にでるところだ。あんたらみたいなサラリーマンにとっちゃ、オレら漁師みたいな仕事は信じられねえだろうなあ。今みたいな時間から荷物を積み込んで、深夜から漁を始めるんだ。辺りが暗くなりだしたら、秘密の場所まで船をすすめていく。そんな秘密の...
Friend

この渋滞のなかで

渋滞につかまってしまった。この渋滞の中、オレは家路を急いでいる。このままだったら、どう考えても時間に間に合わないだろう。さっき予約していた店に携帯で連絡を入れた。15分くらい遅れそうだというと「次のお客様がお待ちに。。」ということでキャンセ...