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俺をここから出してくれ

あー、しんどいな…。 俺、なんで、あの時、断れなかったんだろう?もう一回、チャンスをくれ。いや、くださいー! 神様ー! って俺も神様のはしくれか。いやー、しかし、俺の腕と足はどこへ行ったんだ?まだこの下に埋まっているとは思うが、もう300年...
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至福の時間

仕事終わりにリビングで過ごす数時間が私の至福の時間だ。コンポでビルエバンスのピアノをかけながら、ソファに沈み込む。お気に入りのカップに少し濃いめのコーヒーを淹れて、足なんてこんな感じで思いっきり伸ばしちゃう。お店でこんなことをすると、すぐに...
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涙の理由

その時、男は女の涙の理由を知りたいとは思わなかった。その理由がなんであれ、自分のことで頭がいっぱいで煩わしいことには関わりたくなかったのだ。女のありふれた涙は再び頬を伝って流れた。ついさっき、女が自分のハンカチを使って涙をぬぐったばかりなの...
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ささやかな恋のてん末

このバーにくると、私は今でも真奈美の笑顔を思い出す。真奈美はよくカウンターの奥から2番目の席に座って、マスターと話し込んでいた。私は会社の帰りにこのバーに寄り、私の定位置、真奈美の座っているカウンターの逆の奥から3番目の席に座ってひとりちび...
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選ばれた人間

あなたは考えたことがないだろうか?私はもしかして、選ばれた人間じゃないのかって?神様がこの腐った世の中をかえるために、私をつかわされたんじゃないだろうかって? 告白しよう。私は物心がついたときから、自分は選ばれた人間なんだって、固く信じてき...
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自由だー

おれは今、車をぶっ飛ばしている。今日は会社で腹の立つことばかりがあったから、その腹いせというわけだ。今、ようやく会社から解放された。おれはこの瞬間がたまらなく好きだ。「自由だ―」と叫びたい気分だ。光の速さで街並みが後ろに遠ざかっていく。 こ...
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いい女

なんだ?このおれ様と勝負しようっていうのか?さっきから言っているだろう。真由美は絶対に渡さねえって。なんだ、その鋭いくちばしでおれののどを突くつもりか。やってみろ。おれにだって、くちばしがあるんだぜ。そののどをえぐりだしてやる! ちょっ、落...
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たまには格好をつけさせてくれ

おれは今、バーにいる。そう、目一杯格好をつけながら。。カウンターに左腕をついて、少し前かがみになりながら、右手でウィスキーを傾けている。おれの場合、左腕のほうが右腕より少し太い。だから、おれの中の男のフェロモンを精一杯出しているというわけだ...
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今日は天気がいい

今日も天気がいいから、気持ちがいいなあ。うちのリーダも機嫌がよさそうだ。ほら、一番右のリーダのしっぽの羽がピンと張っているだろう。その時はほぼ、8割方機嫌がいい。垂れ下がっているときは要注意だ。いつカミナリを落とされるかわからない。そういう...
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今日は冷えるなあ。。

今日はひえるなあ。。。えっ、今、話したのはその列の中の誰だって?後ろから2番目にいるのが、私ですよ。わからないかなあ。 この列の中で一番イケメンのやつですよ!顔が見えないって?それは仕方がない。 あなたにこのイケメンっぷりを見せることができ...