百獣の王

どうだ？このとがった牙？
どうだ？この何でもかみ砕ける頑丈なあご？
どうだ？怒りで逆立ったたてがみ？
どうだ？このオレの百獣の王のオーラは？こわいだろう？
正直に言えって。
オレのことが怖いからと言って、誰もお前を責めやしない。
なぜなら、オレは百獣の王だからだ。

オオカミが怖いって？
やつらはいつも単独行動をとっている。
しょせん一人にできることは限られている。
たとえ個々の能力が優れていたとしても、一人じゃ何もできない。
オレ達はいつもチームで動いている。だから、強い。
やつらにあのデカい象が倒せると思うか？

象が怖いって？
やつらはただ図体がでかいだけだ。
本当の王になるためには、体のデカさだけじゃだめだ。
ハートだよ！闘争心だよ！
オレはどんなやつにも負けないという闘争心がなけりゃ、
本当の王にはなれない。

ハイエナが怖いって？
やつらはただの残飯あさりだ。
いつもオレ達の残飯を狙ってやがる。
やつらはオレとまともに目を合わせることもできねえ。
裏街道ばかり歩いているやつらに本当の王はつとまらない。

そう、オレだって、何もせずにここまで来たわけじゃない。
いろんなライバルとやりあって、ここまで這い上がってきたんだ。
だから、オレのことをただのでくの坊だと思っているのなら、
気をつけたほうがいい。
オレはそんなあまちゃんじゃないってことを思い知らせてやるから。

オレについてきたいって？
ついてくるなら、いつだっていいぜ。
そのかわり、オレの前には絶対に出るなよ。
お前が気をつけるのは、それだけだ。